スタッフのこだわりと日常 熟成肉の知識と楽しみ方

【プロ直伝】焼肉がもっと美味しくなる“通な食べ方”5選

焼肉好きの方から、「もっと美味しく食べる方法はありますか?」
と聞かれることが、よくあります。
お肉そのものが美味しいのはもちろんですが、実はちょっとした食べ方の工夫や、組み合わせ方ひとつで、その美味しさは何倍にも広がっていきます。今回は、焼肉つつい店主の立場から、お店で実際にお客様にご提案している“通な食べ方”をご紹介します。これを知っていると、焼肉がもっと楽しく、もっと美味しくなるはずです。ぜひ、次のご来店の際に試してみてください。

1. 焼く順番は「塩焼き」から

まずはじめにおすすめしたいのが、塩で味わう肉を最初に楽しんでいただくことです。部位の順番というよりも、タレを使わない“塩味”から入ることで、肉そのものの味わいをダイレクトに感じることができます。
特に当店の枯らし熟成肉は、熟成によって旨味と甘みが凝縮されています。まずは塩だけでひと口、口の中でじんわりと広がる味わいに耳を澄ませてみてください。当店では、オリジナル調合の山椒塩をご用意しています。ほんのり香る山椒の爽やかさが、肉の甘さを引き立ててくれますよ。

2. お肉の部位は「順番にこだわらず、自分のペースで」

「赤身から脂の多い部位へ」という食べ方の順番をよく耳にされるかもしれませんが、当店では特にそれにこだわる必要はないと考えています。人それぞれに好みがありますし、その時の体調や気分によって「今日は最初にヒレを食べたいな」と思うこともあると思います。大切なのは、自分のペースで、自分が食べたいと感じた順に楽しんでいただくことです。
当店の枯らし熟成肉は、脂も軽やかで甘みがあるため、重たさを感じにくいのが特徴です。どの部位からスタートしても、もたれることなく美味しさを堪能していただけると思います。

3. 薬味の“使い分け”で味の表情を変える

焼肉つついでは、すべてオリジナルで調合した薬味をご用意しております。

タレ、ポン酢、たまり醤油、山椒塩

—— それぞれに個性があり、どれも熟成肉の旨味を引き立てる設計になっています。
例えば、

脂をさっぱりと楽しみたい方には、柑橘香る自家製ポン酢がおすすめです。

肉の輪郭が引き締まり、スッと後味が抜けていきます。
一方で、

濃厚な旨味をキリッと味わいたいときは、たまり醤油とわさびの組み合わせ

をぜひ試してみてください。香り高いたまり醤油に、鼻に抜けるわさびの刺激が加わることで、一気に大人の味わいになります。
気分に合わせて、薬味を使い分けていただくことで、一皿のお肉が何通りにも楽しめるようになります。

4. 「焼きすぎない」が、美味しさの鍵

これもよくお伝えしていることですが、

お肉は焼きすぎないことが一番のコツ

です。枯らし熟成肉は、火を入れすぎるとせっかくの柔らかさや甘みが損なわれてしまいます。特に赤身は、表面がカリッとしたタイミングで一度だけひっくり返し、中心はほんのりレアで仕上げていただくのが理想です。ロースターの上で表面にじんわり脂が浮いてきたら、そのタイミングがベストです。焼くことに自信がない方には、カウンターでスタッフが焼き加減をサポートいたしますので、お気軽にお声がけくださいませ。

5. 「口直し」をうまく使って、最後まで美味しく

焼肉を楽しんでいると、ふと「ちょっと味を変えたいな」「何かさっぱりしたものが欲しい」と感じる瞬間があるかもしれません。そんなときにおすすめなのが、“口直し”の活用です。当店では季節のナムルや浅漬けなどの副菜を数種類ご用意しています。これらは、味覚をリセットしてくれるだけでなく、次のお肉の旨味をより鮮明にしてくれる名脇役です。
また、軽やかな泡のスパークリングワインや、酸味のある白ワインと合わせるのも、口の中を一新してくれる素敵な方法です。

まとめ

焼肉を“食べる”という行為は、とてもシンプルに見えて、実は奥深いものです。ほんの少し順番を変えるだけで、薬味を工夫するだけで、味わいの世界が何倍にも広がります。焼肉つついでは、そのすべての瞬間を「おいしい」と感じていただけるように、空間づくりや接客、そして提供するお肉や薬味にもひとつひとつ丁寧に心を込めています。

次回ご来店の際は、ぜひ今回の“通な食べ方5選”をお試しいただき、焼肉時間をさらに豊かなものにしていただけたら嬉しく思います。
心より、お待ちしております。

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